こころの話 / 映画の話

映画には人生のヒントがいっぱい

幼いころ、初めて観た映画は、ディズニーの「ダンボ」だったと
記憶しています。しかも映画館ではなく、
和室で子どもたちが集っていたような…

しっかり覚えているのは「ガメラ対ギャオス」
近所のおばさんに男の子たちと連れて行ってもらいました
中学生になり、自分たちで行ったのは「タワーリングインフェルノ」
高校生になってから初めて一人で見に行ったのは
若き日のアンソニー・ホプキンス主演の「マジック」だったかな

そのころは毎日テレビで映画を放送していたので
一週間に5本くらい、テレビで観ていた覚えがあります
特に大晦日はオールナイトで、ジェリー・ルイス特集とか!

その後はさすがにテレビで観ることはあまりなく
ひたすら名画座通いをしたものです

そして何度も繰り返し観た「カサブランカ」
先日、午前10時の映画祭で去年に続き、再見
なんと今までと違った思いが湧き上がって驚きました

映画は、他の芸術、文学や絵画よりも、もっともっと
観るものの主観で評価が変わります
100人が面白かった、と言っても、自分は面白くない、
ってこともよくありますし、逆もありますよね

だいたい、脚本家の意図と監督の思いも違っていたり
撮影者も表現が違うかも知れない、俳優さんの解釈も
観客にそのとおりに伝わるだろうか…

こんなあやふやな表現手段であるからこそ
映画は面白いんじゃないでしょうか

今回、別に映画論を展開したかったのではありません
映画には、人生のヒントがたくさんあります
意識せずに観ているかも知れませんが、
言われればなるほど、と思う作品がありませんか

例えば、前回ご紹介した「イエスマン」は
すべてに否定的に考えてしまう人が観たら、
ちょっと人生観が変わるかも知れません
それは馬鹿らしくって受け入れられないとしても
へぇ~、そんな考え方もあるのか、って思えるかも

もっと直接的に心の闇や病をテーマにしている作品も
数多くありますよね
「レインマン」が有名ですが、そのほかにも
リチャード・ギア主演の「心のままに」は
躁うつ病を真っ向から取り上げています
ラッセル・クロウ主演の「ビューティフル・マインド」は
次第に統合失調症になっていく教授が描かれています

これらが映画になることで、その病気に対する理解は
確実に深まります(駄作は論外ですが…)
偏見と戦う患者さんや関係者にとっては心強いことでしょう

でも、そこまで深くでなくても、心の病はいろいろあります
マイケル・ナイマンのピアノ曲で有名な「ピアノレッスン」は
障害ではなく、自らの意思で言葉を発しなくなった女性の物語
彼女は意志の強さゆえに、口を閉ざす人生を選んで、
奇跡的にその「言葉」を受け止める粗野な人間に出会う…
最近の話題作「ブラック・スワン」だって、
プレッシャーに追い詰められていく才能ある女性の心理ドラマです

たくさんの映画を観ていると、
普通の人間なんていないことに気づきます
どんな人間にも人生があり、人生にはドラマがある

だけど、それは裏を返せば、誰でも普通なんです
誰にでも人生があり、誰にでもドラマがある

今、どんなアドバイスにもしっくり来なくて
落ち込んでいる人がいたとしたら
なにか映画を観てみませんか
昔のように名画座はないけれど、
いくらでもDVDで観られる夢のような時代ですから

この記事は、2011年6月27日(月)にFC2ブログに投稿したものを編集しています。

投稿者

tokyomatsuzaki@gmail.com
サイト管理人です。

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